これまで10回の開催を重ねてきた別海町「みんなの食堂 まーる」とは

これまで10回の開催を重ねてきた別海町「みんなの食堂 まーる」とは

共生の広場 ─ 世代を超える交流と地域課題の解決

幅広い年齢層が交流できる場の提供と地域の問題点解決への思い

インタビュー:石田 正覚(いしだ しょうかく)
       別海だんらんの会「大きな木」 副会長/カーサービスのイシダ 代表
       高橋 智美(たかはし ともみ)
       別海だんらんの会「大きな木」事務局次長/別海地区子ども会育成協議会 事務局長


別海町で無料で食事を提供する場として開催されてきた子供からシニアまで参加する「みんなの食堂」。その目的や志を聞いた。


みんなの食堂を始められたきっかけと経緯をお聞かせください

先に西春別駅前こども食堂「すまいる」が立ち上がったのですが、市街地でも同様の取り組みができないかと考え、何か新しいアプローチができないかを模索しました。同時に、以前からやりたいと思っていたり、興味を抱いていた仲間たちがいることを知り、お声をかけさせていただきました。

団体「別海だんらんの会 大きな木」を立ち上げ、その活動の一環として町のまちづくりの補助金を活用してみんなで子ども食堂を始めようと話し合っていく中で、地域の特性を考慮して、どなたでも気軽に参加できる場にするのがいいということになりました。高齢者や働く人々も集まれる地域食堂を目指し「みんなの食堂 まーる」と名付けました。最終的な目標は、地域の様々な人々が集まり、交流できる場を提供することです。

みんなの食堂だけではなく、地域のまちづくりに貢献できるような活動を展開しています。

子ども食堂がきっかけではありますが、別海などの地域では、果たしてそれで本当に人が集まるのか難しいところがあるのかなと思います。また、高齢者の方々も1人でご飯を食べていたりすることがあり、そういった方々も一緒に来て交流できればという思いで、みんなの食堂という形にしました。
現在、現場に参加できない賛助会員の方も含めて会員は78名います。

名前にはどのような想いが込められていますか

会員からは本当にたくさんの案が出ました。どれもいい名称で選び切ることができないところもあったのですが、最終的に団体名は「別海だんらんの会 大きな木」になりました。「みんなの食堂まーる」の『まーる』には、みんながあつまる、気持ちが休まる、こころがあたたまる。のまるを取って「まーる」にしました。

具体的な活動についてお聞かせください

食堂という名前の通り、食事の提供になります。それとイベントも企画して同時におこなっています。イベントだけの参加でも来ていただけるように工夫しています。

始めた当初はまだコロナ禍で、会場で食べていただくことができなかったため、テイクアウトで持ち帰っていただく形を昨年までとっていました。1回の開催で100〜120食は出たと思います。

場所のスペース等を考えると、今くらいがちょうどいいぐらいなのかなと思っています。後から来て食事に間に合わなかったっていう方にもイベントの方で楽しんでもらえればと考えています。

補助金の他にも地元の企業からも寄付をいただいています。また、商工会様から水産物や観光協会様からエビカレーやホタテカレー、べつかいらーべじ様から野菜、ヤマギシ会様からたまごなど、食材を提供してくださる方が多くいらっしゃって助かっています。牛乳の消費拡大ということで、農協の女性部などから乳飲料なども提供いただいています。

食事は生涯学習センターみなくるの調理室を利用して作っています。

イベントも季節に合わせてクリスマスや節分、夏祭りなどをおこなっています。夏祭りでは外でテントを張ってお店も出しました。

この活動は1ヶ月半に1回というペースでおこなっており、年間に7回程度の開催を予定しています。

今後の展望

地域の問題点を協力して解決していきましょうという思いが、会員であるみんなあります。この食堂をやりながら、いろんな方と交流をして問題点をみんなで共有し合って、自分たちで何かできないかを考えています。

昨年は別海中央小学校の家庭科ミシン学習の補助ボランティアをおこないました。会員の中にはシニアの方もいらっしゃいます。ミシンに長けている方々で、昼間時間のある方々にお願いしました。

また、小中学生や高校のボランティア部の子たちも毎回来てくれて、知り合える機会にもなっていると思います。

会員さんたちはみなさん、いろいろなアイディアを持ってたり、技術を持ってたりとすごいです。みなさんやりがいを感じていますし、何より活動自体を楽しんでやってくれてるかなと思います。

(取材 2024年1月26日)


別海だんらんの会「おおきな木」事務局
電 話 090-6213-1581