インタビュー:飯島 京(いいじま けい)
タウン警備株式会社 釧路営業所中標津オフィス
札幌に本社を置く、タウン警備株式会社の釧路営業所中標津オフィスが、今年より本格的に業務を開始することになった。なぜこのタイミングなのか、今後どのような業務展開を考えているのかを聞いた。
中標津営業所の本格スタートに至った経緯をお聞かせください
中標津オフィス自体は4〜5年前にすでに立ち上がっており、新たに作られたわけではありませんが、営業所として本格的なスタートはまだしておらず、釧路営業所で管制業務をおこない、根室管内の拠点として人員を配置し活動していました。
今回、営業所として本格的に活動できる動きがあり、あら耐えてスタートすることになりました。私自身3年前に入社し、釧路と中標津を行き来する形で隊員として働いていました。このタイミングで職員として起用していただき、中標津営業所を任せたいというお話をいただきしょちょうという役割を担うことになりました。
これまで仕事を請け負ってはいましたが、オフィスがあるにも関わらず営業所として活動でいていなかった要因に、人手が不足している状態が続いていることがあります。もちろん、中標津エリアにおいても仕事はあるものの、単独での運営が難しかったことにあります。
中標津をひとつの営業所として動かしてほしいという社長のお考えがあり今回の動きになりました。中標津に住んでいる職員がいるのであれば、その地域を動かす必要があるという考え方です。自分の役割として、現状はまだ始動したばかりですので、釧路営業所で学びつつ、地域の方や企業の元請さんとも挨拶回りをしています。中標津を動かしていくためには、今はまだ上司のサポートも受ける必要があると感じています。これからも学びつつ、中標津タウン警備が動いていることをアピールしていきます。
現段階で急に仕事が急激に増えたわけではなく、現状では大きく変わったりすることはないと思います。
ただ、お客様にとって、中標津に営業所があり、中標津で人員を確保できるというのは、お客様にとっても重要だと考えています。現場の近くに人がいることでお客様としては安心感を持っていただけます。警備業界においてよくあることなのですが、どこから来ているのかは大きいと思います。
これまでは、お客様には釧路営業所ではあるけれども、中標津オフィスから人員が来ているという説明になっていました。しかし、急な対応もしなければいけないこともある中で、こちらのの現場で隊員が具合が悪くなるなど何かあった場合、そのフォローが釧路からなると、現実問題としてはやはり無理があります。
やはりお客様からすると、どうしても釧路から人が送り込まれてくるというイメージがついてしまう中で、「中標津に会社がある」ということは安心だと思いますし、例えばお客様が、会社の方に顔を出していただくということも容易になります。釧路の営業所ではなかなか難しいです。そういった密な関係が築けるようになると思います。
中標津営業所ではどこまでの範囲をカバーされるのでしょうか
中標津を中心に、根室管内1市4町、標茶町、弟子屈町、根室市を主にカバーしています。エリアが広いので、場合によって釧路の隊員と共有して現場に携わることもあります。
基本的には2号警備と呼ばれる交通誘導員がメインですが、タウン警備では施設警備もおこなっています。ただ、この地域ではまだ施設警備はまだ開始していない状況です。これからはその準備も含めて、どちらの業務も展開していけるようにしていく予定です。施設からの依頼を受けるためにも、その対応をどうおこなっていくかが今後の課題となると考えています。もちろん、その対応が可能かどうかはお客様の要望に依存しますので、その要望を受け入れられるように準備していかなければいけないと考えています。
現在抱える課題や今後の展望があればお聞かせください
警備業界でも、人手不足は深刻です。中標津に営業所があり、中標津のお仕事ならお任せくださいと言えるようになれば、こちらも自信を持ってお客様に安心感を提供できるようになります。しかし人手不足を理由に、今いただいている仕事以上に大きく動けないという現状もあります。
お客様から見たら動いてないという見られ方をされても、仕方ない状況です。営業所として稼働しはめることで、はっきりと、「中標津営業として、地元の人材を募集しています」「これだけの仕事をしています」と言えるようになれば、ずいぶんと変わってくるのかなと思っています。
現在中標津オフィス、つまり地元での隊員は、私を含めて現状9名です。ひとつの指標として、まずは10名を超えることを目指します。一時期4〜5名だったこともあるので、少しずつ増えてきています。
また、釧路営業所がハマナス管理サービス株式会社の関連会社となり、その警備会社の隊員も中標津エリアで働けるようになったので、これまでよりは動きやすくなりました。
本格的に稼働するために人員の確保が必要になります。求人募集というものは、単純にネット上に出ているだけでももちろん目にする人はいるでしょうし、大変便利なものだと思います。しかし、やはりローカルなネットワークを利用して隊員を募集する必要があると思います。中標津に「タウン警備」という会社があります。今こうやって動いていますとお客様へアピールする一面もあります。
警備会社同士は、割と協力的な関係だと感じています。実際どうしても現場に人が足りないとなれば協力し合えるなど、横のつながりがしっかりしていると思います。その繋がりをさらに太くしていく必要があると考えています。営業所としてはまだまだこれからですし、新規参入に近い状態での事業展開で仕事を増やしていかなければいけませんが、まずは既存のお客様を大事にしていくことが大切だと考えています。
いずれ、お客様から警備会社を選ぶ上での選択肢に入ることができればと思います。そのためにも、警備という仕事の品質を上げなければいけません。人員を増やし、お客様を増やす。この地盤づくりのための準備ができたことで、隊員が意識を高めることに繋げていきたいと思います。
人員が不足している状態で、かつ釧路から派遣されてくる割合が多いと、お客様から「人がいないじゃないか」と言われてしまいますので、タイミングとしては一番良かったのかなと思います。私が地元に住んでいて、こういった形で任されるできるということで、会社からミッションを与えられたというような感覚もあり、身が引き締まる思いでいます。
また、警備員が町のインフラを支えるためのお手伝いをしていることをもっと知って欲しいという思いがあります。
住みやすい町にするためには、しっかりとした道路がないといけません。その交通インフラを整備しているのはもちろん建設土木会社ですけども、そこには警備員がいなければいけません。
そのために、ただ旗を振っていればいいのではなく、町を住みやすくするためには、絶対に警備が必要なんだという意識を、まず警備員である自分たちが持ち仕事に誇りを持つ必要があると考えています。
例えばどうして道路を止めているのか、普段多くの説明はしませんが、それを住民の方に理解していただくのも私たちの仕事なのではないかと思います。
町の方からも「あそこの警備会社ってすごいしっかりしてるよね」というふうに言われるような、地元に根付いた会社になりたいと思います。
(取材/2024年1月22日)
生活を支えるライフラインを足元で支える警備会社。どこも人手不足が深刻な中、今後どのような業務展開をおこなっていくのか期待したい。
【企業情報】
タウン警備株式会社
釧路営業所 中標津オフィス
標津郡中標津町西3条北1丁目5-1
日専連ビル2F