インタビュー:伊藤 光平(いとう こうへい)
スコーン専門店 KOPE.SCONE代表
2023年10月にオープンした「スコーン専門店COPE.SCONE(コペスコーン)」。小さなお店ながら、優しい手作りスコーンが自慢で、ひと味違うスコーンを求めて、連日たくさんの客が足を運んでいる。
オーナーの経歴やお店について話を聞いた。
これまでどのような活動をしてきましたか
山形県出身で、高校を卒業後、横浜にある個人経営のケーキ店で6年間の修業を積みました。ポルテのオーナーである村上さんと同じ修行先で、私は6年間の修業を積みました。次なるステップを踏みたいという思いから、その当時、中標津町にあったケーキ店「フランダース」で働いていた村上さんに連絡したところ、こっちに来なよと声をかけていただき、2年間また一緒に仕事することになりました。
その後、日本のケーキ文化を広めたいというネパール人の知り合いのプロジェクトに参加し、3か月間のネパール滞在中に現地の人たちにホームステイしながらケーキや焼き菓子の技術を教え、新たな文化に触れることができました。
帰国後は、山形に戻り、さらなるスキルの向上のためにケーキ店で3年間働いた後、再び中標津に戻り、ポルテで働きながら新たな挑戦として「コペスコーン」を始めました。このお店は、定休日に2週間に1回だけ場所を借りて営業し、2年半ほど続けました。
開業を決断した理由を教えてください
一昨年の年末頃には、ポルテで働くことよりもコペスコーンとして働くことの方が気持ち的に大きくなっていましたが、そこまで深く考えていませんでした。その時、村上さんとの会話で、気持ち的に逆転しているのならば、自分で独立してがんばってみた方が良いとアドバイスされました。
最終的に昨年の5月に独立を決断し、9月いっぱいで辞め、独立することになりました。初めての経験で、不安は大きかったですが、村上さんからポルテが足かせになっているとのアドバイスを受け、もう一歩前に進むべきだと感じました。村上さんは先輩でありながらも、良好な関係が築かれ、応援もしてもらえるけど、甘やかされることもありません。やれる人から言われたので、負けず嫌いな性格からやってやるという決断をしました。
なぜスコーン専門店を選びましたか? 商品の特徴も教えてください
知り合いのお店で出会ったスコーンに感動し、これはおいしいと思いました。自分なりにアレンジの余地があり、様々なバリエーションを考えられそうだと感じました。でもスコーン専門店をはじめた1番の動機は奥さんの好物だったことです。
通常のスコーンはパサついていますが、当店のスコーンはしっとりとしています。外側はサクサクとした食感で、中はしっとりとしており、そのまま食べられるのが特徴です。バリエーションも豊富で、1日に約10種類のスコーンを提供しています。60種類ほどのバリエーションがあり、その中でも最も人気なのはプレーンの中標津ミルク。中標津フレッシュクリームの濃厚な香りが特徴で、シンプルで甘すぎない美味しさが評価されています。
チャイのスコーンもあり、他とは一線を画す独自の風味が楽しめます。一般的に売られている紅茶のスコーンは茶葉を細かくして使用しますが、ここで販売しているチャイのスコーンは香りや味をしっかり楽しんでいただけるように煮出して、スパイスもふんだんに使用し、他にはない独自の個性を追求しています。バリエーションがあれば、お客様もわくわくして、選ぶ楽しさが生まれます。これもいいだろうという迷いながら楽しんでいる姿を見るのが楽しいです。
奥さんがスコーン好きでなければ、副業として始めても途中で挫折していたでしょう。好きで楽しむ姿勢が大きな支えになっています。
1日に10種類ほどのバリエーションが並ぶ。
今後どのようなお店にして行きたいですか
Instagramで情報を発信してそこから結構な数のお客さんが来てくれています。客層は主に女性が8割から9割くらいで、30代や40代が多く、子育て世代の方が子供を預けて買いに来ることが多いです。僕としては見て喋って楽しいライブ感を楽しんでもらえるお店にしたい。お客さんの声を聞くことが楽しいです。通販で購入されている方も、たまには店舗に来てもらえたら嬉しいなと思ってやっています。
「ふるさと納税に出品しませんか」と声をかけていただいています。考えているんだけど、まだ2人で運営しているので、手が足りない感じがしています。ふるさと納税も含めて通販などにもっと力を入れていきたいと思っています。
この場所でカフェスペースを設置することは難しいですが、コーヒーが好きなこともあり、お持ち帰りで提供できるようにしようと考えています。もう少し製造のラインを増やして、もっと多く提供できるようにできたらいいなとも思っています。初めてのお客様にはパサパサなんでしょうと言われることがありますが、そうじゃないんですよ。スコーンが苦手だと思っている人ほど食べてほしい。多分、スコーンの概念を変えられると思います。
(取材/2024年1月19日)
【店舗情報】
スコーン専門店 COPE.SCONE
営業時間 11:00〜15:00(売り切れ次第終了)
定休日 日曜日、ほか不定休
標津郡中標津町東5条南1丁目1