足のトラブルに悩む方々に新たな希望をもたらす。

足のトラブルに悩む方々に新たな希望をもたらす。

インタビュー:細川 久美子(ほそかわ くみこ)
ネイル&フットサロン プラス


足の健康に専念したフットケアの専門店が中標津でオープンした。ネイリストとしてのキャリアを築き上げ、その情熱はフットケアの世界へと彼女を導いた。その想い、そして足のトラブルに真摯に向き合う姿勢が、彼女の新たな挑戦の背後にある。これまでとこれからについて聞いた。


これまでのお仕事や専門的な経験を教えていただけますか

私はネイルアーティストとしての経歴を持ちます。ネイルアートはもともと趣味から始まり、その後プロとしての資格を取得しました。お客様に満足していただけるサービスを提供し、専門的なスキルとアプローチの重要性を感じました。

ネイリストとしての経歴の中で、お客様の爪のトラブルに向き合う機会が増えました。巻き爪や爪のケアのニーズがあり、これらの課題に真摯に取り組みました。足のトラブルについても私自身が経験があり、そのため専門的な知識を深めることを決意しました。

フットケアスクールで巻き爪やウオノメ、タコケアなどを学びました。これらのカリキュラムは専門的なスキルを磨くのに役立ちました。ウオノメやタコのケアは足の健康にとって重要であり、角質ケアやかかとのケアも学ぶ必要があります。これらのステップを修了することで、受講生は専門的なステップに進む準備が整います。

巻き爪の補正師の資格を取得するためには、爪の知識や皮膚について詳しく学ぶ必要があります。ただし、私たちは皮膚科医ではないため、病的なケアに関しては医療の範疇ですので、施術を行うことはできません。

ネイルケアの楽しさだけでなく、お客様の健康をサポートする使命感も強く感じています。私はキャリアの中で、信頼関係やコミュニケーションの重要性を学びました。専門的な知識と技術を通じて、お客様が満足する笑顔を見ることが私の喜びです。

お客さまお1人ずつのご案内なので、周りを気にせずリラックスしてケア時間を過ごすことができる。

フットケア専門店を開業することになった想いやきっかけ

以前は場所を借りて施術を行っていましたが、経験を積む中で、より多くのお客様に対応するために広いスペースが必要だと気づきました。そのため、新しい場所での開業を決意しました。

新しい場所との出会いは偶然であり、最初はその広さに少し驚きました。しかし、この広々としたプライベートな空間でお客さまにゆったりと向き合うことができることに感動しました。移転したばかりの頃、ある高齢のお客様が、サンダルを履けずに裸足でタクシーに乗ってお店に訪れました。その方は腰に持病を抱えており、自分で足の爪を切ることが難しく、一人暮らしをしていたために爪のケアができていませんでした。私がその方の爪のケアを行うと、とても喜んで靴を履いて歩いて帰っていかれました。この出来事を通じて、高齢の方々にとって爪のケアがどれほど重要であるかを実感しました。

高齢の方々にとって、足のケアは大きな課題となることがあります。足の乾燥や角質の蓄積、巻き爪などが日常生活に影響を及ぼすことがあるからです。私は専門的な知識と経験を活かして、お客様の足の健康をサポートすることを心から大切にしています。巻き爪の問題に関しても、お客様一人ひとりの状態に合わせて最適なアプローチを提供し、快適で健康的な足を手に入れるお手伝いをしています。

足のトラブルに関して、具体的にどのようなアプローチをしていますか

私はお客様のさまざまなニーズに対応するため、個別のアプローチを大切にしています。痛みを軽減したい方には、痛みをやわらげるケアを提供しています。また、外見の美しさも大切に考える方には、美しい爪を育てるお手伝いをしています。お客様の希望やニーズに合わせて、最適な施術方法を提案することが私の大切な役割です。

巻き爪の方々は、足の見た目や痛みに悩んでいることが多いです。専門家との相談が重要であり、痛みの軽減や見た目の改善に合わせて施術方法を選んでいます。足の見た目が気になって素足になることが難しい、また痛みのために歩くのがつらいといった問題を巻き爪の方は抱えています。その後、痛みがますますひどくなり、足の見た目も悪化し、靴下を履くことすら難しくなることがあります。私自身も以前巻き爪の経験があり、その気持ちを深く理解しています。

また、魚の目は放っておくと神経に圧迫をかけて歩くことに問題を引き起こす可能性があります。そのため、歩くことが難しくなったり、歩き方が自然でなくなることがあります。

再発を防ぐためには、日々の習慣や履く靴にも気を使う必要があります。同じ靴を長い間使い続けたり、適切でない靴を履き続けることは、再発のリスクを高めることがあります。だからこそ、これらのことを考えておくことが大切です。

こうした状況で、どの専門家に相談すればよいかわからないことは、非常に一般的な問題です。足に関するトラブルは、多くの人が共通の悩みを抱えているものと言えます。カウンセリングが非常に重要です。初めてのカウンセリングでは、具体的にどの程度の施術を希望しているのか、痛みの軽減だけを希望しているのか、それとも見た目の美しさも考えているのかなどを詳しく話し合います。痛みの軽減に焦点を当てる場合、一回の施術で効果を感じることもありますが、見た目の美しさを重視する場合には、少なくとも半年以上の期間が必要なこともあります。

新しいアイデアやサービスの計画はありますか

今後は地元の方々の爪の健康をサポートするため、出張ケアサービスを提供することを考えています。これにより、高齢の方々も家族と一緒に暮らしながら、安心してケアを受けることができます。年齢に関わらず、爪の問題は巻き爪や角質の蓄積など様々な方に影響を及ぼすことがあります。そのため、専門的なケアが求められています。特に、爪の健康を保つことは歩行能力や足の臭いなどにも大きな影響を持ちます。適切なケアを通じて、高齢の方々が快適な日常生活を送るお手伝いをすることが大切です。

私は自身の世代だけでなく、後続の世代にも専門知識を継承していくべきだと考えています。家業を継ぐ理想的な流れもありますが、私のように子どもがいない場合、興味のある人々に何かを継承したいという思いがあります。ただし、私のような趣向の人が少なく、足を触る行為に抵抗感がある人もいます。そのため、まず自分の足に疾患がある場合に、自分でケアを行うことで足を触ることに対する抵抗感が薄れていく可能性があると考えています。

足のケアの分野で楽しさと魅力を見出し、専門知識を磨いてきました。私のように足に興味を持ち、足のケアに対する抵抗感のない人々が増えれば、需要も広がるかもしれません。足のケアに特化したお店の増加が、需要の拡大につながるでしょう。また、ネイルサロンで足のケアを求める声が上がっており、足のネイルだけでなく、足のケアも提供するお店が増えることで、さらなる利用者が増えることが期待されます。

今のところは中標津での資格取得が難しい状況です。講師の先生方も高齢化しており、若手の育成と世代交代が大きな課題となっています。私自身が講師となる資格を取得するためには、時間と費用がかかりますが、オンラインを活用して柔軟な解決策を見つけることも考えています。

最終的には、若手の育成を通じて足のケアの専門家を増やし、多くの人々に足の健康に関するサービスを提供することが目標です。足は私たちの日常を支える大切な部位であり、その健康を守ることは生活の質を向上させる一つの方法です。若手の育成と専門的なケアの提供を通じて、多くの人々が健康で快適な足を持つことができるようになることを願っています。


足の健康を守り続ける。彼女の情熱は新たな専門家を育て、足のケアの需要を広げることにも向けられている。足の健康が、より多くの人々にとって手の届く幸せになる日が近いのかもしれない。


【店舗情報】

ネイル&フットサロン プラス
TEL 090-5076-8281
営業時間 10時〜19時
定休日 不定休
標津郡中標津町東34条北2丁目25