町を楽しみ、地元食材のを味わってもらうために、魅力の発信と受け入れ体制の整備が必要

町を楽しみ、地元食材のを味わってもらうために、魅力の発信と受け入れ体制の整備が必要

各団体との連携を深め様々な仕掛けを作る

インタビュー:松隈 慎一 (まつくま しんいち) 
別海町観光協会 会長


別海町の観光の課題と今後どのような方向に向かうべきと考えていらっしゃいますか

6月に就任しまだ日が浅いのですが、前会長が16年間にわたって築いてきた功績やイベントなど、その基盤を尊重し、把握する必要があると感じています。その上で現在の優先すべき課題や取り組みについて、慎重に考えている段階です。

就任後、まず感じたのは宿泊施設の不足というハード面に課題を感じています。例えば別海町ふるさと交流館の再開など、観光協会が考えるべき課題は山積みですが、情報発信の向上も重要なテーマです。同様に、お土産品の不足も聞こえてきます。お土産については、新規開発と既存商品の改善の両方の選択肢が考えられます。

さらに地域の食にも関してもまだまだ課題があると感じています。ホタテやエビなどの海産物、そして牛乳やチーズなどの乳製品、これらの美味しい食材が存在するにもかかわらず、リアルタイムで味わえる場所が少ないという事実に注目しています。そのため、協力店を見つけながら、食の魅力を引き立てる方法を考えています。

ふるさと納税とのリンクも重要であり、より良い提案や販売戦略を模索することが求められます。地域の特産品が観光のアシスト役となり、地域経済の成長に貢献している事実には感謝せざるを得ません。過去数年の成長も著しく、観光との相乗効果を期待しています。

地元の食材を活かした場所づくりは、観光の未来を切り開く上で欠かせない要素です。受け入れ態勢の整備も肝心なポイントです。飲食店だけでなく、町全体が観光の案内を行えるような体制を構築することが望ましいと思います。町の住民が観光客に、旬の味わいや別海町でしか楽しめない体験を情報提供できるようになればと考えております。

もちろん、様々な意見をお伺いした上で、地域の特性を生かして観光誘致に尽力すべきだと感じています。地域全体が魅力的に映るようなコンセプトを考えていますが、まだ明確には描けていません。

観光スポットの魅力的な展開においては、見どころを提供することも重要です。景色だけでなく、別海町の酪農、漁業の特色や取り組みも含めて、物語性のある魅力を伝える方法を模索しています。

当然、私たちはここに観光客を引き込むことを意識し、質の高いサービスを提供できる体制を構築し、観光客の満足度を向上させる必要を感じています。そのため、地域の宿泊業者や行政と協力し、観光客のニーズに合わせた提案を検討中です。価格設定も重要な要素です。魅力的なサービスを適正な価格で提供することが求められます。例えば、宿泊割の導入など独自に提案をおこなっていますが、現在主に観光客が訪れる海沿いの地域から西春別地区への誘客を増やすのは容易ではありません。

ここで注目すべきは、若い世代の積極的な関与です。彼らは大胆なアイデアを持ちながら、地域の活性化に取り組んでいます。もちろん、地域の特性を尊重しつつ、柔軟なアプローチが求められます。

現在の観光と未来の観光には微妙な違いを感じています。単に訪問者数を追求するだけでなく、質の高い観光体験を提供し再訪を促すことが大事だと思っております。

数年前、外国人観光客を含めて約31万人が訪れましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、その数は半分に減少しました。しかし、最近では再び集客が増えており、特に千歳空港を利用する訪問者が増加していると報告されています。このような状況を鑑みて、私たちは北海道全体の魅力を広く発信し、観光客を呼び込む力を一層強化するべきです。

この機会に、各地域の特色を最大限に生かしつつ、おもてなしの心を大切にすることが不可欠です。私たちは各業界と緊密に協力し合い、質の高いサービスを提供できる体制を構築し、宿泊施設やイベントの提供を通じて、観光客の満足度を向上させる努力が必要だと考えています。地域の宿泊業者や行政と協力し、観光客のニーズに合わせた提案を検討中です。価格設定も重要な要素です。魅力的なサービスを適正な価格で提供することが求められます。

地域の特産品や食文化を活かした戦略も重要です。お客様が楽しい思い出を持ち帰り、再訪したくなるような体験を提供することが大切です。特に食を通じて魅力を伝えることは非常に効果的です。高品質な食材を提供することで、お客様の満足度を向上させることができます。

課題解決ためにどのような取り組みを考えていらっしゃいますか

最終的には、観光客が喜ぶプランを練り、効果的なPR活動を展開する予定です。ひがし北海道地域の連携も重要です。隣接地域の個性を尊重しつつ、観光客の体験をより豊かにするために協力していきたいと考えています。

そのためにも行政や農業協同組合、漁業協同組合、商工会との連携を深めていきたいと考えています。そして隣接する地域に対して、同様の取り組みを行っている方々に我々の活動を理解していただき、互いに良好な関係を維持することが大切です。

一方で、協会に加盟している企業や団体に対して、会員が加入して正しい選択をしたと感じてもらい、協会の思いや意向がしっかりと伝わることが大切だと思っております。

現在、観光協会に加盟しているのは約120社です。協会内ではさまざまな取り組みが行われており、会員からカヌー体験や、気球を上げたりするプロジェクトなども浮上しています。こうした活動を通じて、観光との関わりを感じることができればと思っています。

ただし、実際の連携は容易ではありません。さらなる企業の加盟を促すため呼びかけをしたりしていますが、中には連携が難しい場合もあるかもしれません。そのため、私たちはメリットを明確に伝えることの重要性を認識しています。このような試行錯誤の過程で、効果的なアプローチを模索していきます。

(取材 2023年8月24日)