中標津町議会議員選挙を終えて─2020
新人議員に聞く。
職員としての経験を町政に活かしていきたい
【取材】阿部 隆弘(あべ たかひろ) 61歳 無所属
立候補のきっかけと思い
実は4年前にもオファーがあり、定年を控えお断りしましたが、今回退職するにあたり、諸先輩から再びお声をかけていただきました。これから町民の皆さんの声を町議会で発言していかなければ、町政は変わっていきません。そのことに私が協力できればと決意し立候補した次第です。
これから、町内会や町民活動団体の皆さんの支援ができればと思っています。基本は、予算のなかで工面するのですが、印刷物を作るにも書類のコピーひとつとっても役員の方々が負担することも多いと思います。札幌や釧路ではこういったことを取りまとめる団体があり、機械も置いてあり、利用できます。そういう場をつくり、それによって活動がより活発になればと思っています。
町が抱える課題について
現在、町内会の加入率は約40%まで低下しています。自治基本条例では、町内会及び活動団体の役割が明記され、私が担当した当時からすでに8年が経過し、見直しが必要と考えています。
また、政府が掲げる同一労働同一賃金と働き方改革は、民間のほうが進んでいます。しかし、公務員職場や、連合に結集する働く者の職場ではなかなか進んでいないので、声に出して取り組んでいかなければと思います。特に公務員職場では正職員のほか、今年度から始まった会計年度任用職員(臨時職員)が存在しますが、その人たちの待遇改善も含め、働く者のみんなが幸せになるための改善を訴えていきたいと思います。
給食センターもだいぶ古くなってきました。コロナ対策を見据えた衛生管理の必要性を再認識する必要があります。食育という面から見た給食の役割や、子育て支援としての給食の無償化など、すべての子供たちが平等に恩恵を受けることができる体制が整えばと思います。国策として取り組まれることを期待しています。私は立憲民主党の推薦を受けておりますので、国政との連携で進めていきたいと思います。
小中一貫の義務教育学校として「計根別学園」が全国のモデル校となり、本年度からは、中標津小学校・丸山小学校と中標津中学校の「中標津学園」、中標津東小学校と広陵中学校の「旭ヶ丘学園」がスタートしました。ただ、学園名とその違いや取り組みに関して、学校関係者以外の町民の方々に理解が進んでいないと感じております。今年度から開始されます「地域学校協働本部」の取り組みを通して、連携し理解が深まっていくことを期待しています。
町立病院に関しては現在経営改革が進められています。赤字補填を一般会計から繰り入れるだけでなく、一時借入金もあり、これが年々膨らんできており非常に厳しい状況です。
城西大学の教授と病院経営改革支援機構の方と一緒に、病院のプロジェクトチームが奮闘しています。地域医療の未来を考えるのは病院ではなく行政であることから、それを見守るだけではなく、町全体で一丸となって経営改革を後押しすることで、光が見えてくるのではないでしょうか。
実は現在の場所に移転する前の町立病院に医事課の職員として9年間医療事務に従事していました。当時も赤字を抱えて、看護師不足に陥っていた時期がありましたが、トップに任せるだけでなく、職員が一丸となって改革していくんだという雰囲気がありました。当時のように進んでいければ良いなと思います。
第6期中標津町総合発展計画では組織機構の見直しや行政改革が明記されていますが、機構改革が行われたのは、平成24年度のみです。最近は、採用職員の早期退職が増え、役場という職場に魅力がないのではないかと思ったり、忙しすぎてきちんと若年層の職員をフォローできていないのではと思っています。機構改革はトップダウンではありません。みんなの意見をまとめながらトップが判断することですから、きちんとコミュニケーションをとる作業が大事になってきます。本来自分たちの仕事はどうなのか、こうするともっと効率的ではないのか、便利なのではないのかといった意見を出し合い、議論の中から組織を活性化するべきです。
しかし、それができていないために役場自体が疲弊しているように感じます。第6期計画は終わってしまいますが、第7期計画の中でぜひ町長には決断していただき、全体で取り組んでいただきたいと思っています。