インタビュー:山崎 淳(やまざき じゅん)
オプティーク リトム代表
2022年10月、中標津町にメガネ屋「オプティーク リトム」がオープンした。町内へ移住し、企業に挑戦したのは紋別市出身の山崎 淳氏。
なぜこの町での起業を選んだのか、どのようなお店なのか、話を聞いた。
なぜ、中標津町でメガネ屋を
網走のメガネ店で、6年ほど働いていました。ものづくりや接客が好きなので、接客して販売、加工してお渡しをするという流れがすごく魅力的に感じました。メガネが好きだったこともあり、業界に入って手に職を付けようと、メガネ業界に入りました。
友人から「中標津はおもしろいよ、とにかくおいしいものがあるから」と聞いて、年に1〜2回は中標津に遊びに来ていました。来るたびに新しいお店ができていて、町に魅力があるから出店が増えるのだろうと感じていました。
ある時、車を運転していたら、小学生が交差点渡ろうとしていたので、道を譲りました。渡りきったあとに、小学生が振り返って会釈をしてくれました。その教育はすばらしい、地域性豊かで治安も良く、ゆったり過ごせる魅力的な町。お店を始めるにあたり、中標津以外の選択肢は考えていませんでした。
一人のお客さんに対して時間をかけ、しっかりと満足できるメガネを提供したい。自分の好きなブランド、欲しいものが凝縮されたお店をつくりたいと思い、独立することを決めました。
リトムはどんなお店ですか
一人一人、目的にあったメガネを提供することをモットーにしています。取り扱う商品のこだわりはMADE IN JAPANで、見た目も質も良くしっかりとアフターケアができる、長く使えるメガネを提供しています。
安価なメガネは大量生産で、生産後の部品欠品がよくおこります。ある程度のブランド名がついているメガネは、自社工場を持っているところもあるので、何年前のものでも取り替えてもらえる可能性が高いのです。少し高いかもしれませんが、長い目で見るとアフターケアできるメガネを選んだ方が良いと思います。
持ち込みフレームのフィッティングやレンズ交換、修理も対応しています。持ち込みできるのかと疑問を持たれているお客様が多いのです。フレームの形状や状態にもよりますが、割れたりしないものであれば対応可能です。
最近は、紫外線の量で色が変わる可視光調光偏光レンズが売れていて、漁師さんなど外で活動される方にすごく重宝されています。
可視光調光偏光レンズは、色が濃くなってくると、偏光率が高くなってきて、その偏光の機能も使えます。朝日が登る前はほぼ無色ですが、日が登ってきたら色付いて、眩しさをカットしてくれます。室内に戻り、紫外線が当たらない状態になると、10分ぐらいで無色に戻ります。これが、かなり売れています。
見え方については、両眼視検査を行います。人間は両方の目で見たとき、、脳はそれぞれの目が見た画像を統合して1つの像としてとらえます。それがきちんと働いていない方がいらっしゃいます。片方がちょっとずれて見えている、ものがダブって見える状態など、見え方を詳しく調べることもできます。
お客様の反応は
今は発信方法がInstagramだけですが、口コミでどんどん広まっていき、ご予約をいただけています。「今までこういうメガネ屋さんがなかった」、「欲しいものが充実している」とうれしい声もいただけます。
厳選して、お客さんが安心してかけられるものだけを提供しているので、お客様から見ても魅力的に映るのかもしれません。
客層は20代半ばから30代が多く、若い方はブランド志向が強いです。良いものは良いとわかっている、値段で選ぶというよりは、気に入ったものであればお金を惜しまないという方が多いです。
レンズも幅広く取り扱っているので、溝があるメガネであれば、だいたい交換は可能です。レンズは歪みや厚さにより価格帯が異なります。ご依頼を受けたら見え方をお調べし、お客様の黒目の中心とレンズの中心を合わせてレンズを削って調整します。その方に合ったオーダーメイドのレンズを作成しています。
日本人の顔に合った大きさのフレームを揃えているので、どんなに度数が強い方でも、好きな眼鏡を作れるというのが強みです。しっかりとお客様にあった見え方や、メガネの特徴などをお話しながらご案内しているので、「こんな風にすすめられたことなかった」と、よろこんでいただける方が多いです。
今後の展開は、どのようにお考えですか
将来的には、カフェと併設したメガネ屋を作りたいと思っています。自分でデザインしたメガネの展開を始めて、軌道に乗ったら工場も作りたいです。
「めがねのまちさばえ」といわれている福井県の鯖江市では、分業制で、1つの会社で1つのパーツをつくる程度の規模の工場があります。人手不足で後継者もいないので、生産が間に合わず、工場がパンクしているそうです。
めがねの町とまでは言いませんが、工場をつくることで町の発展や観光などにもつながるとおもしろい。そこには可能性しかないと思っています。
(取材/2022年12月22日)
1人1人の生活リズムに合うメガネを。新たに中標津できた専門店は、地域にどのような流れを生むか。今後の活躍に期待したい。
【店舗情報】
オプティーク リトム
営業時間 11時〜19時
定休日 火曜日
電 話 050-3562-306
標津郡中標津町東8条南1丁目1・1
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