新会長に地域の飲食業のこれからを聞く。
中標津飲食業連合会─コロナ禍の中での就任
インタビュー:菊池 憲一郎(きくち けんいちろう)
中標津飲食業連合会 会長
株式会社 寿宴 代表取締役
コロナ禍、物価高騰と厳しい情勢の中での就任になりました
6月7日の総会で前任の加藤会長の任期満了に伴い、会長職を引き継ぎました。本来であれば昨年交代している予定でしたが、コロナ禍真っ只中だったこともあり、体制を変えずに一年延長し、今年交代する運びとなりました。
コロナ禍、ウクライナ危機も重なり、物価上昇が止まりません。私達飲食業会も仕入れ価格が次々と上り、影響は非常に大きいですが、行政や商工会、各関係団体、地域の皆様から多くの助けを頂いています。
飲食業界が抱えている問題や課題についてはどのように思われていますか
根室管内の皆様が利用してくれている中標津町で、中標津といえばという特別なメニューが無いという声はありますが、中標津に来たら和洋中の飲食店、カフェが揃っていて、夜はスナックやバーも沢山あり、十分に楽しめます。昼も夜も楽しめる町づくりが大事だと考えています。
また、どの業種も同じだと思いますが、人手不足は大きな問題です。労働条件が合わず、なかなか実を結びません。飲食業界の魅力がうまく伝わっていないことにも要因があると思います。作る喜び、接客する喜びをもっと若い世代に向けて伝えていきたい、飲食の魅力を雇用に繋げていけたらと考えています。
中標津町内の飲食店では、春より岩谷学園さんの学生をアルバイトとして受け入れています。日本語の勉強をしながら、アルバイト先で実践的な日本語を学び、接客しながら地域に馴染んできています。うち(炭火焼肉 雅々)でも2名の学生さんを受け入れています。毎日、笑顔でがんばってくれています。
コロナ禍が続き、みなさん苦戦していると思います
コロナ禍で来客者は少ないですが、町内のお客様、旅行で立ち寄られたお客様、長期滞在のビジネスマン。多様なお客様に対し飲食店としては第三者認証制度を取り入れるなど、感染リスクの低減に努め、来て頂けるお客様にどう満足してもらえるかを常に考えています。
また、飲食業連合会では毎年、グルメマップというガイドブックを作っています。町内のホテルやゆめの森公園、レンタカー屋さんなどに置かせてもらい、手に取ってもらって食事処やお酒を飲むところを探してもらえるようこれまでやってきました。昨年はお客様が行きたいお店をスマホで検索できるように、飲食業連合会のホームページを立ち上げました。わかりやすい表示なので、来町者はもとより町民の皆様にも利用して頂けるツールになればと思います。
昨年は、地元の食材を使ったメニュー提供を大切にしようと、野付産ホタテ、夏には羅臼昆布、秋にはジャガイモとチーズを連合会全店で提供させて頂きました。どの食材も生産者あっての物。コロナで流通が滞っていた野付産ホタテ、記録的不漁の羅臼昆布等、天候によって左右される食材を連合会として元気にPRし、その食材の魅力を発信することで、食材の魅力を再認識する事業となりました。今後もこの事業『食で繋ごう共助の輪』を継続させていきたいと考えています。
飲食業連合会は今後どのような会でありたいと考えていますか
前会長は元気な飲食業をアピールしていくことをモットーとしていました。この言葉は、会全体に浸透しています。私もこの前向きな言葉が大好きです。今後も元気な飲食業を目指していきます。また、このような状況の中、常に新しい情報を会員同士で共有し助け合うことを大切にしています。コロナ禍の今だからこそ新しい事業展開をしている会員もいます。補助金を活用し、知恵と努力でがんばっている会員を見て、自分もがんばっていこうと思える、お互いを高め合う会になれたらと考えています。私も任期である2年間、会員皆さんと足並みを揃えて前向きに努力していきたいと思っています。
来年、中標津飲食業連合会は、50周年を迎えます。記念事業についての打ち合わせも始まりました。地域の皆様に支えられてきた50年です。次の10年を見据えて皆様にお返しができるような事業を考えていきたいと思います。
(取材/2022年8月6日)
中標津飲食業連合会
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