この地域を襲う物価高騰の波|年内の価格据え置きと工場稼働を継続するための判断

この地域を襲う物価高騰の波|年内の価格据え置きと工場稼働を継続するための判断

重油、灯油と輸入資材の価格高騰
リサイクルを行う業界ではどの様な影響が出たのか

インタビュー:小川 徳子(おがわ のりこ)
株式会社ビッシェル 代表


物価高騰による影響

 帆立の貝殻を原料にしたブラスト材や肥料、土壌改良に使用する粉を作っているのですが、商品化されたものを入れる際に使用するフレコンバッグは海外から輸入しているものを使用していて、船の輸送費が上がっているのと、円安の影響で500キロのフレコンバッグが1枚あたり約200円上がっています。

 昨年はまだ20円〜30円の上がり幅でしたが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まった頃に急激に上がり、新型コロナウイルスの波がまたひどくなってきた頃にも結構上がりました。中国がロックダウンして物が入ってこない状態の時は、国内の高いもので補いながら出荷していた時もありました。

 特に価格が上がっているのは灯油と重油で、合わせて月約200万円だったのが250万円以上になりました。電気に関しては、工場は高圧電力の契約をしていて今のところ価格は変わっていません。

 機械も古いので壊れたりしますが、機械の部品の値段も上がってきています。工場で使用するインバーターもいつ壊れるかわからないので頼んでおこうと思い問い合わせても、全然返答がない状態です。機械に入れるオイルも値上がりしていますし、上がっていないものはないですね。

お客様への対応

 何も対応できていないのですが、来年から値上げをするか、量を少なくして値段はそのままにするかを悩んでいるところです。値上がり前の価格で大量に購入したフレコンバッグの在庫がまだあるので、少なくても今年12月までは今の価格のままがんばろうと思っています。袋は1回に4,000枚ほど仕入れるのですが、300万円以下で仕入れできていたものが350万円くらいに跳ね上がってしまいます。

 自分だったらと買い手目線で考えてしまい本当はそのままの価格で販売したいのですが、上げなければきつくなってしまうので、値上げはやむを得ないことだと思っています。

(取材/2022年8月26日)