動画を活用して別海町の魅力を伝える
インタビュー:菊地 裕樹(きくち ゆうき)
別海町役場 総務部 総合政策課 主事
原田 佳美(はらだ よしみ)
別海町地域おこし協力隊
別海町の移住促進の取り組みについて教えてください
菊地 別海町移住ポータルサイト「ほらり」を開設しており、そこに移住関係の情報を集約しているほか、東京などで開催される移住関係のフェアに出展してPRを行ったり、移住相談などの対応をしたりしています。
また、今年度空き家になっていた職員住宅をフルリノベーションして別海町では初めてとなる「お試し移住住宅」を整備しました。家具やお試し暮らしのための仕組みを整備して令和4年4月からの貸し付け開始を予定しています。
本気で移住を考えている方に使ってほしいので、観光目的の方はお断りするつもりなのですが、少しでも別海町が視野に入っているのであればご利用いただけます。1グループ2回までという制限も設けているので、毎年、シーズンステイで利用することはできないものになっています。
お試し移住住宅に関してはどのように周知していますか
原田 利用者募集の体制が整ったら、道外の方々に関しては、全国組織である一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)のホームページを活用するほか、北海道移住交流推進協議会などが発行するメールマガジンなどでの周知を検討しています。また、全国どこからでも移住に興味のある方が見ることができるよう地域おこし協力隊の活動として「べつかい移住ちゃんねる」というYouTubeチャンネルを立ち上げ、お試し移住住宅ができるまでの過程や地域の魅力などを動画にして発信しています。
菊地 チャンネル登録者は少しずつですが増えていて、昨年の7月31日に初めての動画を投稿してから、1月25日現在で193人の方に登録していただいているのですが、再生数に対して約7割の方はチャンネル登録しないで見られています。何かもっと話題になるような動画を出せれば登録者が増えるとは思いますが、なかなか思うようにいかず難しいと感じています。
菊地 裕樹(きくち ゆうき)
原田 佳美(はらだ よしみ)
YouTubeチャンネル開設のきっかけは?
菊地 本当に軽いノリでした。私が総合政策課に異動してすぐの打ち合わせの時に、「お試し住宅に実際に住んでみないと、気温や周りの環境はわからないよね」という話が出ました。それで「じゃあ住んでみて、動画にしよう」と言ったのがきっかけになっています。初めは冗談のような話でしたが、良い取り組みだと思い、準備を進め、今に至っています。
動画づくりで意識していることはありますか
菊地 最初に投稿した動画に載せていますが、「分かりやすい」「親しみやすい」「(内容が)固くなりすぎない」の3つをコンセプトとして動画作りをしています。主に原田さんと私の2人で撮影・編集をやっているんですけど、ほかの役場関係で発信している内容よりは、くだけた親しみやすい内容で発信できていると思います。淡々と何かを説明するだけのような動画は作りたくないので、段取りなどもあまりガチガチに決めず、ちょっとクスッと笑えるような部分があったらいいなと思いながら自分たちも楽しんで、少しおふざけしながら作っています。
農林水産省職員がやっている「BUZZ MAFF(ばずまふ)」というチャンネルも、出ている方がすごく楽しそうにしているので。
原田 実は、オープニングでチャンネル名を大人数で言っているのは、BUZZ MAFFさんのオマージュで、課のみなさんに協力してもらって収録したんです。
今後の展望はありますか
原田 お試し移住住宅をより多くの皆さんに利用いただけるよう、YouTubeはもちろん、別海町移住ポータルサイト「ほらり」の内容充実を図っていきたいです。
また、別海町には不動産屋さんがなく、住宅を探すのが大変なことも課題の1つになっているので、「空き家バンク」の取り組みに関しても進めていきたいと思っています。
菊地 YouTubeに関しては、ショート動画の活用や、地元で活動する団体とのコラボレーション企画、あとチャンネル開設のきっかけにもなった「お試し移住住宅に住んでみた」など、どんどん動画を更新していこうと思います。
このチャンネルの最終的な目的は、道外の移住を検討されている方に情報を届けることですが、町民の方々に地元別海の魅力、住みやすさを再認識していただくこと、町が行う移住促進のための取り組みなどを伝えることも大事なことだと思っています。それによって、町全体で移住して来られた方を温かく迎えることができる環境づくりが進んでいくのが理想です。
(取材/2022年1月26日)
・別海町の移住ポータルサイト ほらり
・YouTube「べつかい移住ちゃんねる」