女性を中心に全国的な盛り上がりを見せる
スイーツパン「マリトッツォ」中標津版
インタビュー:安田 隆(やすだ たかし)
株式会社 万両屋 代表取締役
現在一番注目を集めていると言ってもいいほどの人気を集めるイタリアの伝統的なスイーツ「マリトッツォ」。
昔から地元にあり親しまれてきたパン工房ぴえ〜るでも独自のアレンジを施したマリトッツォの販売を始めた。
なぜマリトッツォを商品化しようと思ったのでしょうか
世間を騒がしているマリトッツォとはどんなものなのかなと思い調べてみると、中標津素材が沢山使えるパンだと思いました。そこが魅力的でしたし、何よりタイムリーで話題性もあるのでうちでも商品化しようと思いました。
パン工房ぴえ〜るで販売しているマリトッツォの特徴は
パンはバターがたくさん入った生地であるブリオッシュです。それに挟むクリームは「なかしべつ牛乳」をたっぷり使いたいと思ったのでオレンジピールの風味を抑えたカスタードクリームと、「なかしべつフレッシュクリーム」を合わせたクリームになります。
何度か試作品を作りましたが、割とすんなり商品化できたかなと思います。
生クリームだけのものもやってみようかとも思ったのですが、それではあまり面白くないなとおもいました。インパクトに欠けるということでまずはフルーツの香りのするものと中標津の素材を使用し、それをノーマルとして出しました。フルーツを使ったり、チョコレートクリームにしたりと色々なアレンジも考えています。
マリトッツォはたっぷり挟んだクリームのところが口に見えます。そこでイチゴで牙をつけてみようと思いました。ただ小さいイチゴじゃないと大きすぎて牙ではなく、ただイチゴを並べただけになってしまい、それでは面白くないなと思いイチゴは諦めました。
目をつけたのには何か理由があったのでしょうか
たまたま他の商品に使っていた目があったのでを付けてみると、思いのほかかわいかったので、顔にしてしまうことにしました。
目は普通のチョコレートとホワイトチョコレートでできています。少しそのバランスにムラがあるのですがそこはあまり気にしませんでした。逆に色々な表情を出したいと思い、あえて寄り目にしたり上向かせたり下向かせたりということをたまにやったりしています。
販売開始からその売れ行きはいかがでしょうか
販売開始当初はすごい評判で製造も間に合わないぐらいでした。今は大分落ち着いてきていると思います。1番多い時で各店舗平均50個くらいは売れていたと思います。当店のクリームパンと比較すると約10倍ぐらいです。
名前を公募されたののはどういった理由からでしょうか
目を付けたことによって一般的なマリトッツォではなくなりましたので、何か面白い名前を付けることができたらいいなと思いましたし、応募という形を取ることで話題になるだろうと思いました。また、消費者参加型にすることで、名前付けたいなと思ったらまず食べてみようと購入してくださいますし、そうすると広く周知することもできます。そういう戦略的な要素も含めて名前の公募を行いました。
100件あまりの応募があり、その中から「 なかトッツォ(中標津マリトッツォ)」という名前にしました。中標津素材を沢山使ったパンやお菓子に対して「中標津」という冠をつけて販売しているので、そのシリーズのひとつにしようかなと思いその名前を最優秀賞に選ばせていただきました。
シリーズ化する可能性はありますか?
今回応募した中に「まりとっつぁん」という面白いものがあって、これを次点の優秀賞のひとつに選びました。そこからインスピレーションを得られたのもあり、この名前のマリトッツォを商品化しようと準備中です。当初考えていたフルーツ系やチョコレートのアレンジ案もありましたので、この名前に合う商品を作る方法はいくらでもあると思っています。
しばらくキャラクターを追っていこうかなと思っています。もしチョコレートを使用したものを作ったとすれば、次はホワイトチョコにアレンジするなどですね。ただチョコレートを使用するとすれば、中標津素材がないのでまだどうしようかと考えているところではあります。
世間の流行りが収まってしまったとしても、色々と変化させて息の長い商品にしたいと考えています。
中標津生食パンには新たな動きの予定はありますか?
さらに高級化する動きもあったのですが、現状手が回らない状態で停滞しています。状況が落ち着いてきて、生食パンのブームが去る前にはやりたいと思っていまずがまだしばらく時間が必要かなと思います。
ただ、生食パンこれについては息が長い商品だなと思います。もっと早く流行が収まっていくかと思っていたのですが、専門店がどんどんできているくらいですので、収まる要素が現時点ではないと感じています。
今のうちに第2弾、3弾を作りたいと思っています。最初チョコレートを使用した生食パンを考えていましたが、今はまだそこまでいかなくていいかなと思い、まずはさらに高級感を増したものを作ってみようかと思います。
今店頭に並んでいる食パンについては中標津希望農場産の春よ恋でつくられた小麦粉が50%、あとの50%は道内産の小麦粉なのですが、今後、中標津産の小麦粉100%で生食パンを作ってみようかなと考えています。
(取材/2021年8月20日)