サーモンパーク内に新施設
観光客、地元客のどちらもが利用できる施設にできるかがカギに
インタビュー:藤本 隆司(ふじもと たかし)
渡邊清掃株式会社 会長
ネクストプラス株式会社 代表取締役
ネクストプラス株式会社設立の経緯
もともとサーモンパーク内には標津サーモン科学館に併設して、サーモンハウスというレストランや鮮魚販売、売店等が2018年まであったのですが閉店してしまい、建物が空いている状態になっていました。その中で標津町では変わって運営してくださるところを探していましたが、なかなか決まりませんでした。
しかし食事ができる施設はやはりあった方がいいということで、運営協議内に標津町より新会社を設立し経営してほしいとの要請があり、それを受け「ネクストプラス株式会社」という新会社を設立し運営を行うことになりました。
建物は老朽化していたのもあり昨年取り壊しになり、現在町で新しい施設を建設中です。
施設の規模と内容
建物総面積は160坪程度で、レストラン、物品販売、軽食販売、観光案内所等が設置され、その他厨房や社員休憩室、更衣室、事務所及び備品庫等が設置される予定です。壁面を木で囲い、サーモンパーク内の自然と調和したおしゃれな建物になります。
施設は池を眺めながら食事をする際に景観がいいように、過去あった施設より奥になっています。地元の方にも利用していただけるような経営をするためにはどうすればいいのかは、課題になってくるかと思います。
提供されるサービス・商品
現段階ではレストランで提供するメニューはまだ決定していません。町内の食堂と競合しない事を前提としているため、一線を画したメニュー構成を検討中です。また物品販売は標津産だけでは限界があるため、根室管内一市四町の製品を前提とした商品販売を計画しています。また、標津町内で個人が生産している野菜等の持ち込み販売も計画しています。
通常営業は午前10時から午後6時までとし、それ以降の夜の営業も予約のみの対応とし夜メニューで送迎も含めた営業を計画しています。
ただ、冬期間の営業については現時点ではまだ未定となっており、来春の開業時までには決定の予定です。
コロナ禍の中での2022年オープンと運営
計画当初、標津町との協議中にも新型コロナウイルスの影響もあり、観光客の集客を多く見込めないなどの問題は出ていました。ここまでその影響が長期間に渡って続くこと、また急拡散することは想定していませんでした。
しかし2022年春にオープンするという現状を変えることはできないですし、大々的にオープンイベントも行うことができない可能性が高いと思います。
このマイナスを如何にしてプラスに転じることができるかを考えることが経営者の仕事であり過去の通例を変える方法を検討・実行して行きたいと考えています。
現時点での課題
まずオープンに向けての人員の確保が必須です。現在今年末からの募集を計画しており、その後に研修期間も設け開業に備えようと考えています。
コロナの問題も大きな課題のひとつです。今回のコロナの感染拡大と外食や消費行動の変化を踏まえて、業務形態が変化しそれが今後常態化するものと思われますので、施設も同様に集客の方法や営業の仕方を考えていく必要があります。
アクリル板やテーブル間の仕切り板、消毒換気等々にかかる経費の増大が障害として予想されてます。またそれは設備や機材、また予定より多くの人員の配置に繋がるものです。
地域における店舗の位置付けやあり方
完成する新しい施設を標津の観光の起点とし、現在あるサーモン科学館とも連携して、如何に集客できる施設にできるかを考えていく必要があると思います。また、今後どこまで官民が連携し、人の流れを変えていくことができるかが課題に挙げられます。
再度サーモンパークの復活を模索するために、斬新なPR方法やプロパガンダの周知の方法を検討しているところです。
将来の展望、事業に対する思い
この事業をきっかけに如何に標津町を活性化させるか、また私自身としては新会社の経営と施設運営が最後の事業になると考えており、新しい考え方を柔軟に取り入れて、次世代の若い人たちに繋ぐことを目指しています。
(取材/2021年8月24日)