中標津町議会議員選挙を終えて─2020
新人議員に聞く。①

中標津町議会議員選挙を終えて─2020<br>新人議員に聞く。①

中標津町議会議員選挙を終えて─2020
新人議員に聞く。

末端の声を拾い上げることができる立場からの挑戦

【取材】安藤 美佳(あんどう みか) 46歳 無所属


町への想いから

 一時期札幌や東京に出ていて10年ほど前に町に戻りました。昔からの同級生が帰省したときに必ずと言っていいほど同じメンバーで集まるのですが、町の話によくなります。学校のこと、子育て支援のこと、いろいろなことで「もっとこうしたらいいのに」「なぜ道の駅はないんだろう」と外に出ているのでほかの町と比較してしまい、勝手なことを言っている感じでした。

 そういった話をしていくうちに、若い世代が頑張っている時に自分たちの世代で町政の場に出ている人はなぜいないのかという話になりました。この時点ではまだ他人事だったのだと思います。

 ただ、誰か出る人間はいないのかという話はよくしていたので、私の頭の中には自分が出ることを漠然と考えていたので、まず話を聞きにだけでもと説明会にいきました。今まで何かしてきた実績もないですし、まだまだ勉強も必要なので、次回の選挙に向けて準備しようと思ったのがきっかけだったのですが、私自身無投票で自分が当選するとは思っていなかったので、みなさん「この人はだれなんだろう」と思われたと思います。

 時間がなかったのもあり、選挙事務所も用意せず、ポスターも作れませんでした。町政に参加しようとする方でなかなかいないタイプだろうと自分でも思います。今回このような流れで町議になったことで、皆さんにはお叱りを受けるかもしれません。先輩町議の方々が非常に大変な思いをして携わっていらっしゃることも聞いていますので、型破りですみません、ご迷惑をおかけしますと恐縮しています。

 しかし、こういった場に立たせていただけることになった以上は、少しでもお役に立てることができればと思っています。

 町議に就かせていただいたからといって、すぐに何かできるとは思いません。ただ、自分たちだけで言いたいことだけ言って終わりで何もしないのは違うと思っていたので、直接テーブルにあげる事ができる立場になれたのはよかったと思います。何も知らず浅はかかもしれませんが、実現したいものがあるにも関わらず実現しないことがあるなら、その理由をきちんと知りたいとも思います。

 完全にゼロから始めることになるので、知識や経験をこれからつけていかなければいけません。人は死ぬまで勉強だと思っていますので、この4年で成長できればと思います。

ごく普通の暮らしの困ったを町に届けたい

 私は優等生でもなければ真面目でもなく、ごく普通の人間と周りから見られると思います。悪いことをするわけではないんですけど、タバコも吸いますし、今は少し肩身が狭いのですがパチンコだってする時もあります。車を運転したらスピード違反もないわけではありませんでしたし、本当に普通に町で暮らす人間です。もちろん、町議として活動する以上それではいけないことは理解しています。猫をかぶっても優等生になることはできませんし、苦労すると思います。

 40歳で出産したのですが、不妊治療や高齢出産を経験してきました。離婚もしました。でも子どもには中標津で生まれ育ってよかったと思ってほしいですし、将来は人のために動ける人間になってほしいと願うシングルマザーです。

 安定して生活している方々とは違ったレベルで生活している私たちのような人が多くいることを知っていても、その悩みなどは理解しきれていない部分もあるのではないかと思っています。

 周りの人には1日でもたくさん笑ってほしいと思っています。何かあるとすぐ文句をいっているよりは、笑っていることの方が多い状態でありたいと自分が思っているので、そういう意識もあります。生活していく上で、楽しいほうがいいと思うのでそういう環境を作れたらと思います。

 私自身が大きく何かができるとは思いませんし、的外れなことを言って呆れられるかもしれません。実際どこまでできるのか全くの手探りですが、私たちのような町民の小さな声を、また気づいたことを届けることができる立ち位置で活動できればと思います。