
ニーズを見極め
活路を見出す中古車販売店
販売の低迷やサプライチェーンの混乱により
コロナ禍で大きな打撃を受けた自動車メーカー。
地域の自動車販売店への影響は?
インタビュー:佐藤 正吉(さとう まさよし)
Total car communication 株式会社Casval 代表取締役
コロナの影響はありましたか
業界的に直接関係ないかと思っていました。統計はとっていませんが、お客様の出足、来店客数は減っているかもしれません。大規模展示会が中止となりましたので、それは売り上げに直接影響しています。
お客様の動向に変化はありましたか
それほど売れる車が変わったという感覚はないですが、趣味で使えるような車のニーズは出てきたのかもしれません。密を避けようということで、みなさん旅行に出かけても宿泊施設に泊まるのではなく、今まで馴染みのなかったキャンピングカーを利用しキャンプをしています。
なるべく接触を避け、余暇を楽しむというアウトドア志向が強くなってきたと思います。キャンピングカーを利用しない方でも、車中泊をする方が増えているので、ハイエースのような車種だったり、ソロキャンプで人気のジムニーといった嗜好性が高い車種にニーズが見られます。
コロナ禍での新たな取り組みはありますか

昨年の7月から釧路の会社と共同運営というかたちで、キャンプングカーのレンタル事業をスタートしました。キャンピングカーの購入は、高額なのでなかなか手が出ません。年間何日使うのかと考えると、維持費もかかるので不経済でもあります。しかし、キャンプ需要の高まりで、利用してみたいという方が増えています。そういった方々のために、少しでもお手軽に使えるようレンタカーを始めました。キャンピングカーの購入を考えていて、その前に一度試して見たいという利用の仕方もよいかもしれません。ホームページを制作しましたので、サイト上で車種を選び予約することができます。
ハートフラワーチャーリーさんの敷地をお借りして、キャンピングカーのレンタルカーを展示させてもらうイベントを、2日間に渡って行いました。足を止めていただけるお客様がたくさんいらっしゃいましたので、実際にキャンピンカーに乗って頂いてお話もしました。興味を示すお客様が多かったので、この地域の方でもニーズはあるのだと思います。キャンピングカーをレンタルするという選択肢があることを、知らないお客様がほとんどなので、まずはそこを知って頂きたいです。

この地域は酪農家さんや漁業関係者が多く、軽トラックや軽バスの保有率が非常に高いエリアです。軽トラックは昔からそれほどイメージが変わらず、もう少し格好良く乗れたらなと考えていました。趣味でも利用できるようなカタチです。
道外の業者ですが、ハードカーゴジャパンという、荷台をカスタムして格好良さと使い勝手を両立したアイテムを販売している会社を見つけ、販売代理店として取り扱いを始めました。販売、取り付けも自社で承ります。
取り扱いを始めたのは、自分の車に個性を出そうとする趣向のユーザーが増えてきているというのも理由です。ハードカーゴ社製の製品は、荷物の持ち運びに関して立体的に使えるよう、荷台に大きなベースキャリアを組んで、オプションで使い勝手に合わせて変化させていくというアイテムです。比較的低価格でできるカスタムアイテムなので、選択肢のひとつにこんなのもありますよという、ご提案は今後も会社でやっていきたい取り組みです。
コロナの収束が見えませんがこれからの戦略は
完全に収束するには長い時間を要すると思っていますので、戦っていると体力を消耗してしまいます。コロナに関しては、戦うというよりはうまく付き合っていくしかないと思っています。その中で楽しむべきものは楽しんでいく、そういった工夫をしていく時代に入ってくるのではないかと思います。
サブスクという言葉を耳にすることが増えてきました。これからは買うという時代は実が、終わりに近づいているのかもしれません。今までは車を買うときは現金かローンという二択でした。個人のユーザーがリースで借りるというのは、一昔前では考えられなかったですが、今は購入時にリースを検討される方が増えてきています。月々の支払いが少なくなるという点が、カーリース普及のポイントだと思います。
買うのが得なのかリースが得なのかは、購入する人の考え方の問題なので、価値観に合わせて乗り方を選べる時代になったというふうに思っています。
どちらにもメリットとデメリットが存在していますので、お客様とお話をした中で提案をしていき、どちらかを選んでいくやり方をしていくしかありません。