この地域を襲う物価高騰の波|顧客の負担を軽くするために、車を長く乗ってもらうためのサービスを

この地域を襲う物価高騰の波|顧客の負担を軽くするために、車を長く乗ってもらうためのサービスを

価格高騰と部品の供給不足が自動車業界に与える影響が大きい中、整備工場ではどの様な影響が出ているのか

インタビュー:石田 正覚(いしだ しょうかく)
カーサービスのイシダ 代表


物価高騰による影響

 部品などは今のところ大きな変動はありませんが、いずれ少しづつ上がってくるのではないかなと思っています。洗剤はそんなに頻繁に仕入れているものではありませんし、まだ在庫が結構あるので、今のところ大きな影響はありません。当社で扱っているザーレンオイルもちょうど製品のモデルチェンジというか、少し改良されてよりいいオイルになり、それに合わせて今年の春に値段が上がりました。

 今一番わかりやすく値上がりしているのはタイヤなんですね。今年の春に7%〜9%くらい値上がりして、10月にまたもう一段階値上がりをする予定です。

 車の純正部品とかも半年に1回くらいのペースで値段は調整はしていて少しづつ上がってきています。

 新車の販売もしているのですが、新車がなかなか入荷しません。今までは発注してから約1ヶ月で生産し終わって届いていましたが、元々コロナ禍以前から少なかった半導体の生産数が、コロナ禍の影響でより一層遅れ、今まで1ヶ月だったのが2ヶ月、3ヶ月と納期が延びている状況ですね。春に発注してから6月ぐらいには生産が上がり届く予定だったものが、1ヶ月延びて7月、さらにもう1ヶ月延びて8月現在まだ届いていません。そろそろ生産の予定が立ちそうだという話ではあるのですが、それも大丈夫という保証はないですね。

 新車が来ないので、下取りにでる中古車が少なかったり、その影響もあって中古車自体も少なかったり値段が高かったりという影響もでています。

お客様への対応

 整備の工賃は時間単価なのですが、10年以上同じ価格だったのと水道や光熱費、最低賃金なども上がっているので、それを昨年1度見直しし、価格を上げさせていただいています。高騰が続きさらに上がる時にはまた見直さないといけないのかなと思っています。

 今までと同じサービスを提供し続けるためには、価格を上げざるを得ないところは上げなければ、サービスを維持することができません。。同じ値段のまま続けてお店が続けられなくなったらおしまいです。お客さま自体も買うものの値段が上がってきているのを実感していると思うので、料金が変わるのはもうしょうがないのかなと受け取ってもらえる方が多いように感じます。価格が上がる分、燃費の向上や、下回り塗装、コーティング、定期点検など、お車に永く乗れるようなメンテナンスやサービスの提案に力を入れていきたいです。

(取材/2022年8月18日)