羊羹コレクション in ニューヨーク 誇れる地元の和菓子Yokan「標津羊羹」は海外でも高い評価

羊羹コレクション in ニューヨーク 誇れる地元の和菓子Yokan「標津羊羹」は海外でも高い評価

誇れる地元の和菓子Yokan「標津羊羹」は海外でも高い評価

インタビュー:長谷川 淳(はせがわ じゅん)
株式会社 標津羊羹本舗 代表取締役社長


ニューヨークでの開催

 羊羹コレクションはふるさと名物応援事業補助金を利用して行っているもので、全3回を予定し、1回目は世界の文化の中心ともいえるパリで、2回目はシンガポール、そして今回は最後となる3回目に世界の中心とも言えるアメリカのニューヨークで昨年の11月7〜9日に、日本の羊羹を製造・販売している14社が参加して行いました。それぞれの開催地でビーンズゼリーのような英語ではなく、固有名詞としての「Yokan」として挑戦してきました。

 展示会の前日にニューヨークの日本国領事公邸で行われたレセプションでは、マスコミ関係者をはじめとし、63名を招待して日本食や日本酒を振る舞い、同時に羊羹を配布しました。提供できたのが一品と決められていたので、標津羊羹からは羊羹あられを提供しました。

 マスコミ関係者の中には、ヴォーグという雑誌社やウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズなど有名なところも取材に来ていました。来ていた記者も人気のある方たちらしく、その人が記事を書くと影響があると聞きましたね。

 展示会は1日目は午後から、2日目は丸1日と約1日半行われました。


海外での反応と評価

 ニューヨークの会場では、厳しい決まり事があるため残念ながら販売をすることはできませんでしたが、来場者に試食をしていただきました。毎回そうなのですが、会場に来ている人は基本的に和菓子に興味があって来ているので、感想を聞いてみてもやはり反応はいいですよね。羊羹を初めて食べる人もいると思うのですが、思っていたよりも美味しいと言っていただきました。14社と多くの老舗などが出店していても豆と砂糖など原料がほぼ同じなのにも関わらず、こんなにもそれぞれに味が違うんだねという感想もでていました。
 また、ニューヨーク在住の日本人や日系の人たちも多く来ていて、「懐かしい」「久しぶりにちゃんとした羊羹が食べれる」と言って喜んでくださっていました。
 来てくれていた人たちの中には、いわゆるビーガン(絶対菜食主義者)と言われる人たちも多くきていて、羊羹に興味を持っているようでした。ビーガンは通常の菜食主義の人たちよりもその食材に厳しいこだわりがあって、牛乳、チーズ、バター、卵など一切口にしない人たちなのですが、羊羹を含め和菓子にはそういったものが入っていないので、ビーガンの人たちにとっては食べることができるスイーツとして提供できる可能性があるんだなと思いました。通訳の人がいて、説明してくれたりするのですが、日本の人に説明するよりは細かいニュアンスまでは伝え難かったですね。
 また、当日は東京製菓学校の先生が和菓子の作り方の説明を行ったり、現地の人たちにもお手伝いいただいて抹茶を点てたりしました。


羊羹コレクションで得たもの

 羊羹コレクションでは勉強になったことが沢山ありました。

 最近は、インターネットの普及もあって、情報が手に入れやすくなっているので、やはりグローバル化が進み、世界が近くなっているように思いました。世界と接しなければいけない時がいつか来ると思います。東京であればそれはすぐそこまで来ていることを感じられると思うのですが、ここのような地域ではいつ来るのかわかりません。でも準備だけはしておかなければいけないなと思います。

 思いとしては、日本の羊羹はこういうものだからと持っていったものをありのまま認めて欲しい、受け入れて欲しいとは思います。しかし実際はなかなか厳しいと思います。食文化が違うので、それぞれの地域に上手く合わせる部分も必要で、まず最初は向こうに合わせつつこちらのこだわりを伝えて認めてもらうことが大切だと3回海外に行ってみて思いました。

 味に関しては今回は日本で売っているものをそのまま持っていって美味しいと言ってもらえているので、味に関しては受け入れてもらえていると思います。ただ、日本では羊羹は四角い棒状で、切って食べるのが当たり前ですが、向こうではそのイメージ自体ないので、大きさや提供の仕方には工夫が必要だと感じました。実際、羊羹あられのキューブ型はサイズ感がちょうどいいと言っていましたし、それには手応えを感じました。
 実際、実現できるかはわかりませんが、ニューヨークで羊羹あられを売りたいという話も来ています。難しい問題は多々ありますが、寿司にしても日本酒にしても、最初はニューヨークでは難しいのではないかと言われていたものが、最終的には受け入れられているので、挑戦はしていくべきなのかなと思いますし、そうやって少しづつ積み重ねていくことは重要だと思います。

 味に関しては今回は日本で売っているものをそのまま持っていって美味しいと言ってもらえているので、味に関しては受け入れてもらえていると思います。ただ、日本では羊羹は四角い棒状で、切って食べるのが当たり前ですが、向こうではそのイメージ自体ないので、大きさや提供の仕方には工夫が必要だと感じました。実際、羊羹あられのキューブ型はサイズ感がちょうどいいと言っていましたし、それには手応えを感じました。

 実際、実現できるかはわかりませんが、ニューヨークで羊羹あられを売りたいという話も来ています。難しい問題は多々ありますが、寿司にしても日本酒にしても、最初はニューヨークでは難しいのではないかと言われていたものが、最終的には受け入れられているので、挑戦はしていくべきなのかなと思いますし、そうやって少しづつ積み重ねていくことは重要だと思います。

 もちろん、地元の人に食べて頂くことが一番なので、その準備をすることが国内でのレベルアップにも繋がれば思っています。また、地元の人にも自分たちが普段食べているものが、世界に出ても食べて貰えるということを知ることも、決して悪いことではないと思います。

 また、パリにしてもシンガポールにしても展示会のプロデュースをそれぞれの国の方にしてもらったのですが、商品の見せ方や会場の作り方など、それぞれに個性がありました。ディスプレイひとつとってもなかなか日本人には発想できない斬新なことも向こうの人はやってくるので、こういう見せ方もあるのかと勉強になりました。


将来につながる大きな財産

 なにより、この羊羹コレクションに参加して海外に行ったことよりも、日本各地の一流どころの羊羹屋、和菓子屋とネットワークができ仲間になれたことがなにより大きかったです。地元で商売をしているだけでは、情報量が少ないですし、なかなかそんなチャンスには恵まれないと思います。これから創業100年、110年とやっていく中で、これは大きな財産になりましたし、必ず今後にも繋がると思います。