中標津に新たな風を。新ラーメン店オープン!

中標津に新たな風を。新ラーメン店オープン!

インタビュー:中川 慶(なかがわ けい)
知床らーめんなかがわ 店主


中標津町に新たにオープンしたラーメン店知床らーめんなかがわ。
開業に踏み切った経緯と思いを聞く。


ラーメン店を開業しようと思われた経緯をお聞かせください

もともとダイソーを経営していますが、社会情勢の厳しさから新たな道を模索していました。また、代表である父から若いうちに多くの経験を積み、それが将来に繋がるから何か新しいことに挑戦すべきだと言われていましたし、父の苦労を見てきたこともあり、自分もそう感じていました。また時間が経つほど挑戦することが難しくなっていくとの話も聞いていたため、新しいことを始めるならば早い方が良いと考えました。しかし、商売は突然始めることができるものではなく、機会を待つしかありませんでした。

他の経営者との交流を通して、中標津での活動や貢献に興味を抱き、商売が利益を上げることと町に貢献することが相互に結びついていると感じていました。そのような中、ラーメン店の話が浮上し、ラーメン店を開業することとなりました。

ラーメン店を始めるきっかけは、単純に美味しいラーメンを楽しみたいという思いでした。同時に、その地域にも喜ばれるお店を作りたいとの考えが芽生えました。実際、今のラーメンは中標津でなかなか味わえないものに仕上がっていると自負しています。

過去に大学の経済学部に進学した際、ラーメン屋で働いた経験があります。そこは小さなラーメン店で、店長のポジションに就いていました。オーナーからの信頼も厚く、社員が不足しているときには、店の運営をまかされることもありました。その経験が、他の飲食店を開くよりも活かせるのではないかとプラスに働いたのではないかと思います。

飲食店の高齢化が進んでいる中で、新しいアプローチを導入することが面白いだろうと感じました。地域に新しい価値を提供し、地域社会に貢献しながら、頑張っていきたいと考えたのも一歩を踏み出すきっかけになりました。

知床らーめんという店名の意味とこだわり、特徴についてお聞かせください

旭川の須藤製麺の協力を得て、北海道産の小麦を使用した試行錯誤の末に生まれたオリジナルの細麺は、当店の特徴のひとつです。また、知床らーめんというネーミングの通り、東北海道の素材と地域性を大切にするという思いを込めていて、積極的に使用しています。

スープには、ピックファーム大山さんのなかしべつミルキーポークを主に使用しています。ミルキーポークから抽出したエキスをスープのベースとして活かし全てのスープに使用してるため、ラーメンの味わいに深みと旨味を与えています。知床産の鶏胸肉や白そぼろ、そしてホタテのエキスを使っただしも、当店のラーメンの特徴となっています。このアプローチにより、地元の美味しい素材を引き立て、各メニューにおいて多様で独自性ある味わいを追求して、地域に愛されるラーメンを作り提供していきたいと考えています。

価格帯も高すぎず、しかし決して安さに振り切らず、薄利多売にならないようにする必要があるため、食材の選定や価格設定は慎重におこないました。薄利多売の大変さはダイソーで身に染みています。

しかし、このこだわりは価格に反映されてしまいます。同じような肉でも外国産を使えばコストを抑えることも可能かもしれませんが、それではラーメンの味が損なわれる可能性があります。この辺りのバランスを考えながらラーメンの質を優先しながらも、価格帯を抑えることを考えました。既存の建物を有効に活用し、自分で店内を改装したことで出店コストを削減しました。コストを抑えつつも、地元の特色や美味しい食材を大切にしていきたいです。

価格設定においては、地域の概念や顧客の期待、時代の変化など、様々な要素が絡んでくると思います。一般的なラーメンの価格に縛られず、独自性を出しながらもお客様が受け入れやすい価格帯に調整することが、成功につながるかもしれません。食べ物に対する好みや価値観は人それぞれですが、ラーメンが大衆に親しまれる食品であることを踏まえつつ、様々な層にアピールできる工夫をしていきたいです。

どのようなお店にしていきたいと考えていますか

飲食業界は初挑戦ですが、美味しいラーメンを提供し、お客様に気持ちよく利用してもらいたいと考え、そのために日々努力しています。過去ラーメン店で働いた経験があると言っても、経営者ではありませんでしたので、常に勉強です。また、カウンターだけのお店でしたので、厨房とホールが別々のお店を経営することの難しさも日々感じています。ホールスタッフは直接お客様とのやりとりを通して、美味しさに対する素直な反応を直接感じられる、非常に重要なポジションだと考えています。

店舗の成功は売上だけでなく、利益も欠かせません。しかし、経営者として単なる売上を追求するのではなく、利益を上げつつ地元の方々に愛され、地域で一番の存在になるよう努めていきたいと思います。

地域に愛され、地域社会へ貢献することが大切だと思っています。また、スタッフの働きやすさや幸福感も考慮しながら、店舗を繁盛させ、お客様とスタッフ、そして地域社会が共に幸せになれるようなラーメン店を目指しています。地域に新しい価値を提供し、地域社会に貢献しながら頑張っていきたいと思います。

(取材/2024年1月8日)


【店舗情報】
知床らーめんなかがわ
電 話 0153-77-9957
営業時間 11:00〜14:00、17:00〜20:30(日曜日 11:00〜14:00)
定休日 月曜日
標津郡中標津町東3条北1丁目4-2