ディーゼル車を長く乗るための救世主|DPF洗浄機道東初導入!!

ディーゼル車を長く乗るための救世主|DPF洗浄機道東初導入!!

燃料が高騰している今、故障を防ぎ、愛車を少しでも長く乗れるようにするため予防整備が必要に。

インタビュー:青山 隆志(あおやま たかし)
有限会社 青山商会 代表取締役


今回導入するDPF洗浄機はどういったものなのでしょうか

 小型・大型・中型問わずディーゼル車には、排気ガスを送り出すためにエキゾーストパイプという排気システムがついています。この排気システムはDPFというフィルターで排気ガスの有害物質を減少させるために細かい網目状の筒がついています。排気ガスの中にはカーボンやディーゼルエンジンオイルの中に入っているアッシュ(土・塵 以下省略)が入っていて、それを大気中に放出させないようにフィルターで捕まえ、排気ガスをきれいにして大気に排出すようにしています。

 エキゾーストパイプの先に付属するマフラーでも同じことが起きます。それを防ぐために浄化装置にセンサーが付いていて自動的にススを取る再生装置が付いています。

 この再生装置は排気ガスの規制が厳しくなって15年ほど前からディーゼル車には装備されるようになり、臭いもほとんどなくなりました。しかし、運転距離数が延びるとやはりフィルターに蓄積されたカーボンやアッシュが溜まってしまいます。排気ガスを通すところなので、詰まるのが当たり前ですし、劣化するのも当たり前です。しかし、症状が酷くなるとエンジンが止まってしまって車が動かなくなってしまいます。ロードサービスで出向きエンジンが止まった原因を探ると、エンジンでもない、燃料でもない、ガス欠でもないとなった時にDPFがダメになってしまっていることが多々あります。

 そうなると、浄化装置がもう効かなくなっているので、フィルター自体を洗う必要がありました。そのためにはエキゾートパイプを割って、中のフィルターを洗浄し、またパイプを溶接して付けるという作業が必要でした。それに洗剤を使用して洗浄しても、完全にはきれいになりません。ある程度きれいにはなるので、再び走れるようにはなるのですが、3年後くらいにまた同じ現象が起きてしまいます。ひどい時にはエンジン自体が壊れてしまうこともあります。

 車の使用環境によって差はありますが、3~5年は乗ることができるので、感覚的には一度走れるようになると、またしばらくは大丈夫という感覚になるのでさほど重要に感じない方が多いと思います。しかし、少しでも燃費がいい状態で車を長く乗るためには、しっかりフィルターを洗浄する必要があります。

 定期的にオイル交換や車検ごとのエレメント清掃を実施します。それと同じ感覚でDPFもきれいにして頂けたらと思います。自動洗浄すると言っても完全にきれいになるわけではありませんし、洗浄をしたとしても多少はきれいになっても汚れは残ったままなので、またすぐに影響がでます。こびりついてしまった汚れは、簡単には取ることができません。あまりひどくなると交換する必要があるのですが、数10万円と結構かかります。

 今回、助成金を利用して、徹底的にDPFを洗浄することができる洗浄機を導入することになります。北海道岩内町に道内初導入した会社があるのですが、道東地域では初になります。

DPF洗浄機を使うのと、これまでの洗浄と何がちがうのでしょうか

 DPF洗浄機を使用してフィルターを洗浄すると、これまでの洗浄に比べ燃費が全く違います。きれいなフイルターを通して排気ガスを出す場合10の出力で走るとしたら、詰まってしまうと3や2の出力にまで落ちてしまいます。そうすると頑張って出力を出そうとするのでエンジンの効率と燃費が落ちてしまいます。これまでの洗浄であれば5や6の出力まで戻すことができたところを、DPF洗浄機を使うことで8や9の出力ができるところまでフィルターを洗浄することができるようになります。

 しかも、エキゾートパイプを割ってフィルターを取り出す必要がなく、パイプに直接ホースをつけて、高圧で溶剤の入った水を2キロの圧で通します。最後に水ですすぎ200度の温風で乾燥させます。フィルターの乾燥もこれまでであれば時間がかかったものが短時間でできるようになります。

 洗う際の圧も溶剤の入った水の温度も高すぎるとフィルターが溶けて損傷してしまうほど繊細なものなのですが、この機械はフィルターを傷つけない適温・適圧で洗浄する優れものです。

 個人の受注はもちろんですが、近隣の整備工場からの受注もできると考えています。洗浄にかかる時間が短いので、車検の時にエキゾーストパイプをお預かりし、翌日には返却できます。これまでは各々の整備工場で洗浄していたと思うのですが、圧倒的にきれいにすることができるので、需要はあると思います。もちろん新品やリビルト品と取り替えることもできるのですが、長い目で見ると洗浄するのが車にとってもお客さまにとっても最善の方法だと考えております。

燃料が高騰している今、やはりフィルターの洗浄は必須でしょうか

 燃料が上がっているのと、新車の普及が減少しています。まだ数年この状況が続くとすれば、今乗っている車に少しでも長く乗る傾向にあると思います。なるべくお金をかけないで維持したいとなると、予防整備というのがこれから本当に大切になってきます。

 壊れたら直せばいい、今回の車検が通ればOKという時代に変化してきているのですが、当社は先代の時代から予防整備を大切にしてきました。お客さまには安心・安全な状態で車に乗ってもらいたいと思っています。予防整備をおこなってきたことで、一時期車検代が高いと言われたこともありました。しかし、長い目で見た時に、故障や不備で修理交換をするよりは安くなります。

 もちろん、数年は乗ることができるでしょうし、故障しないかもしれません。よって安心と安全を買うのが予防整備だと思います。お客様には、もしもの時を想定してほしいと思います。しかし、普通は途中で車が故障することは考えないでしょうし、そのために1年に1回、2年に1回車検をするのだろうと言われる方もおります。ですから、実際整備する我々としては実質何も変わっていません。それプラス予防整備をしていただくことで、愛車を長く乗っていただくことができるようになるので是非予防整備をしていただけたらと思います。

(取材/2022年12月24日)

【店舗情報】

有限会社 青山商会
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TEL 0153-73-2501
定休日 日曜日
標津郡中標津町東19条北3丁目1番地