2人の思いが事業所としてひとつの形に

2人の思いが事業所としてひとつの形に

新たに開設した就労継続支援B型事業所「のはな」には福祉に携わる2人の思いが詰まっていた ─

インタビュー:櫻間 千恵(さくらま ちえ)
株式会社 ロールパル代表取締役
   近藤 みどり(こんどう みどり)
       株式会社 ロールパル代表取締役専務/ニットー介護ヘルプステーション 所長


お2人はどういった経緯でお知り合いになられたのでしょうか

櫻間 知り合ったのは10年以上前になります。利害関係もなく、知人を通してたまたま知り合いました。連絡を取り合ったり年に1〜2回会う程度でしたが、徐々に距離感が縮まって、今日に至っています。

近藤 障がいの方やお年寄りの方について話をしていく中で、目指す方向が一緒だったので、話をしていてわくわくしました。自分では経験できない部分を先に札幌で経験していらっしゃるので、お話をしているとグイグイ惹かれるものがありました。志が一緒のところがきっと話の焦点にあったんだと思います。

代表取締役専務
近藤 みどり(こんどう みどり)

代表取締役
櫻間 千恵(さくらま ちえ)

中標津の事業所を開設するまでをお聞かせください

櫻間 以前から福祉に大変興味がありました。コロナ禍が続く中、施設の立ち上げは難しいと思っていましたが、建物や人材の確保をすることができ、昨年の11月に札幌市白石区に就労継続支援B型「カームラッツ」を開設することができました。
 私は心理カウンセラーの仕事をしていました。障がいを持つ方の親御さんで心が弱っている方やうつ状態の方と接する機会が多く「自分にも何かできることはないか」と思ったことがきっかけで施設を立ち上げました。
 近藤さんと福祉に関する話をする中で、ご主人の実家を利用して何かできないかということになり、就労支援B型である「のはな」を始めることになりました。
 近藤さんは訪問介護事業所を経営されているので、色々と勉強になります。今後は、グループホームなども開設していきたいと思っています。

近藤 本業である介護の仕事(ニットー介護ヘルプステーション)をしながらだったので、施設が出来るまでは色々大変でした。建物はすでにありましたが、そこまで大きくはせず、小さい規模で定員が20人の事業所です。事務的なことは関して櫻間さんにやってもらって、バックアップしてもらいながら、色々と教えてもらい学ばせていただきながらここまで来ました。利用者さんと関わってくる中でやはり介護とは違うなと感じています。8月からは利用者さんが2人になります。この先も徐々に利用される方が増えていくことを願っています。経験者の方もいるのでとても助けられていますが、携わってくださる方には未経験の方もいるので、お互いに助け合いながら楽しい職場にしていけたらと思います。

櫻間 中標津町は空気もいいし、札幌にいるより、こちらの空気を大いに吸いたいと思って来ていました。中標津で事業をすることは全く考えていなかったのですが、近藤さんと話をしているうち具体的になりました。私は普段札幌にいるので、何にもできず心苦しかったです。結局近藤さんに忙しい思いをさせてしまったと思います。

「のはな」では主にどの様な作業をされるのでしょうか

櫻間 近藤さんの提案でクッキー作りを始めました。近藤さんがとても料理が上手で、お子さんが小さい頃からクッキー作りをされていたとのことです。利用者さんも黙々とおこなう作業が好きな方が多いので、クッキー作りを作業としてしてもらうことになりました。

 ワンちゃんが食べられるように米粉で作ったクッキーも作りたいですし、やりたいことはまだいっぱいあります。ワンちゃん用のクッキーができたらペットショップなどに置いてもらって、売れた分を動物愛護基金などに回したいと考えています。個人的に動物が好きなので、これはあくまでも私の夢なのですが、福祉もそうですし、少しでもなにか世の中のためになれたらと思っています。

近藤 商品としては小袋のクッキーを3種類と、大きい缶入りのクッキーの製造と販売からスタートします。グルテンフリーのものも作れますが、宣伝もできていない状態なので、当面はご要望があれば作る形を取りたいと思います。

(取材/2022年7月29日)

【店舗情報】
就労継続支援B型 のはな
営業時間 月〜金 9時〜17時
     土曜日 9時〜13時
標津郡中標津町西11条北5丁目1-2