中標津町商工会青年部に初の女性部長が誕生した。
コロナ禍での就任となり、活動が制限される中ではあるが、どのような活動をしていたのだろうか。
インタビュー:長谷川 志乃(はせがわ しの)
中標津町商工会 青年部 部長
今年度の活動内容
毎月行っている例会を9月まではWEBでオンラインを活用して開催し、10月からようやく対面で通常開催できるようになりました。
毎年5月に行われていた中標津町のゴミ拾いに私たちも参加していましたが、今年度も感染症拡大防止のため中止となり、緊急事態宣言に伴い町内のイベントなども中止の中で丸山地区のスカイプロムナードで花植えを行う事で、町民の方々が少しでも笑顔でいられ、お花で癒されて頂くことで、町の活性化に繋がるという思いから感染対策しながら花植えを行いました。
青年部として未来ある子どもたちを企業の後継者や起業家予備軍として育てることを目的として丸山小学校の5・6年生を対象にキッズチャレンジ事業も実施しました。開催のきっかけは丸山小学校には農園があり、昨年度までは収穫した作物を調理実習などで生徒たちが食べて終わっていたのを、生徒たちが企業となり販売体験をさせて欲しいという学校からの要望でした。授業は起業をテーマとして会社経営について5月の苗植えから9月の収穫まで月に1度のペースで行いましたが、試行錯誤でしたので難しい内容の授業になってしまい生徒さんたちが戸惑うかと思いましたが、自分たちの予想とは違い、すごく興味を持ってくれた中で進めることができました。
9月5日に開催を予定していたJA中標津青年部との共同事業「じゃがいもドライブスルー販売」は、まん延防止等重点措置区域になったこともあり10月2日に延期となり翌日の3日開催の「家族で!じゃがいもホリホリ!!」の会場で販売しました。
生徒たちがグループを作り各グループ社長や役割を決め、作成した販売計画書とプレゼン資料をもとに、各学年1グループが選抜され代表として会場で販売を行いました。各自がいきいきと積極的に取り組んでくれて先生方もびっくりしていましたし、不安はありましたが、その姿を見て私たちもうれしく思い、この事業の良さを実感しました。
またプログラムを用いてロボットを動かすことにチャレンジしてもらうロボット事業、コロナ禍で大きな影響を受けた青年部事業所の飲食店の活性化を目的とした青年部グルメでスタンプラリー事業なども開催しました。
じゃがいもドライブスルー販売
初の女性部長として
入部してから7年経ち、青年部内での人間関係が築けていたので、あまり女性だからやりにくいとは感じていません。現在、中標津町商工会青年部は私も含めて3名女性部員がいます。商工会には女性部もありますが、私は青年部のお誘いを受けたこともあり現在に至ります。
中標津町ではまだまだ女性で起業する方が少ないですが、隣町の標津町では初の女性副町長が選ばれたり政界内でも女性議員が増えていますが、地域的にはジェンダーギャップの解消は遅れてると思います。女性部もある中での青年部なので、男性陣の力や発想というものが活動に必要となるので、青年部に女性を増やすという考えもありますが、今のバランスが良いのかなと思っております。
クリスマスに青年部員のお子様にプレゼントを配布しているのですが子どもたちだけではなく、いつも支えてくれている奥様にもプレゼントをあげたらどうかと発案したことが、普段は男性目線の活動が多い青年部活動の中で、私が持つ女性目線を少しだけ取り入れた事業となりました。
北海道商工会青年部連合会としての活動
中標津、標津、別海、羅臼、4町の根室管内商工会青年部連合会の会長も仰せつかり、北海道商工会青年部連合会の理事として活動しています。
北海道商工会青年部連合会は会長も含め15名の組織で、商工業の後継者にふさわしい経営者としての資質向上を図るための講習会などの事業を開催しています。決算書の見方、経営分析、今後アフターコロナに向けて自分たちの会社をどのようにしていくのかなどの勉強会として後継者育成塾を実施したり、経営者等育成連携促進事業として商品力強化支援研究会を実施しております。また、理事会も2ヶ月に1度、札幌で全道各地から理事者が集まり開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となりました。
次年度に向けて
まずはコロナ前の通常活動をすることが今の目標です。町民の皆さんに支えられて活動ができているので、恩返しとして町を元気づけられるような取り組みをしていきたいです。
本年度実施した、キッズチャレンジ事業等を通じて地元の良さを子どもたちに伝え、「中標津はいい町だよ」と1人でも多くの子どもに言ってもらえるような活動もしていきたいと思っています。
それにはまず自分たちが楽しんで活動していくことが大事だと思います。高齢化・人口減少が進む中、若い世代が中心となって町を盛り上げていけたら良いと思います。
(取材/2021年12月27日)