知っているようで知らない 消費税と軽減税率の話

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消費税知っておくべきポイント


国内初となる軽減税率制度

  令和元年10月より始まった消費増税。今回の消費増税ではほとんどの商品の消費税率が10%になるが、日本では初となる消費税の税率を特定の商品に限り低くする「軽減税率制度」の導入が大きなポイントだ。

 高所得者層より低所得者層の方が負担が大きくなることを防ぐために、日々の生活において幅広い消費者が消費・利活用しているものに係る消費税負担を軽減するという考え方だ。「飲食料品」と「週2回以上発行の新聞」が対象で、8%に据え置かれる。

 ただし、酒類と外食などは対象外。また、テイクアウトとデリバリーは8%だが、同じ料理を店内で提供すると10%。ケータリング・出張料理も10%になる。同じ店舗で購入しても、商品によって8%だったり10%だったりと「結局、いくら支払わなければならないのか」と混乱してしまう恐れがある。まずはしっかりと知ることが大切だ(図1・2・3)。

さまざまな景気対策

 増税後は住宅ローン減税の控除期間を3年延長、すまいの給付金の拡充、次世代住宅ポイント制度、贈与税の非課税枠の拡充、自動車保有にかかわる税負担の軽減、プレミアム付き商品券の発行のような負担緩和措置が準備されている。

 なかでも、インパクトが大きいのが令和元年10月から令和2年6月までの9カ月間の期間限定で実施される「キャッシュレス・消費者還元事業」。商品・サービスを購入する際に、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、キャッシュレス決済で代金を支払うと5%または2%のポイント還元が受けられるというものだ。

 需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する経済産業省が主体となって実施する事業だ。5%還元を受けられるのは、中小企業の小売店や飲食店、各種サービス店、宿泊施設など。コンビニや外食など大手系列のフランチャイズチェーン店は2%還元になる(図4)。対象店舗には消費者がすぐにわかるように経済産業省が作成するポスターが掲示され、地図上で対象店舗を表示するウェブ機能やアプリを公表した。増税による冷え込みを緩和し消費を後押しすることが期待されているが、実際にどうなるかは今後の動きや公表される情報に注目したい。

消費税増税の使い道

 2%の消費税率引き上げで見込まれる税収増は約5兆6,000億円。当初の予定では増税分の4分の3を借金(国債)の返済、残りの4分の1を社会保障の充実に使うこととされていた。

 これを借金の返済に回す分を増税分の2分の1に減らし、残りの税収については1.7兆円を教育・子育ての充実させることにした(図5)。これまでは医療や介護など「高齢者中心」だったが、子育て世代にも拡大し、「全世代型」の社会保障制度へ転換する、としている。幼児教育の無償化、待機児童の解消、大学など高等教育に対する給付型奨学金の創設など育児・教育の様々な分野で手厚い支援を実施する予定となっている。

 そこを理解した上で、これからは、消費税が社会保障制度を支えるためにしっかり有効活用されているか、納税者として注視していくことも重要だ。