「中タピ」で 地元牛乳の消費拡大を!

「中タピ」で 地元牛乳の消費拡大を!

地元の特産品で地域の魅力を発信する。

江西 浩太郎(えにし こうたろう)多国籍料理 呑食里


今日本で大ブームとなっているタピオカミルクティー。もちもちした食感が特徴のタピオカドリンクは、タピオカドリンクを飲む活動「タピ活」という言葉ができるほどの人気ぶりだ。おしゃれな容器に入ったタピオカミルクティーの写真を多くの若者がSNSにアップし、それがブームを牽引している。

その発信力を利用し、地元の牛乳を使用した「中タピ」の商品化で地域の特産品を普及させようと活動しているのが、町内で飲食店を営む江西氏。その「中タピ」について話を聞いた。


「中タピ」を作ったきっかけ

 地元を代表する特産物の牛乳を活かしたコラボ商品を作ろうと考えていた時に可能性を見出せたのがタピオカでした。タピオカは今、第3次ブームと言われていて、ブームからカルチャーになりつつあります。タピオカが個人的に好きだったということもあるんですが、タピオカが今持っている発信力も魅力的でしたし、牛乳のポテンシャルを最大限生かしてくれるのはタピオカだと思いました。

 昨年は地元のチーズを使用したチーズハットグを作りましたが、やっぱり牛乳そのものを使いたいという思いがありました。ラテやオレのような牛乳が入った飲み物はありますが牛乳の使用量が少なく、タピオカミルクだったらたくさんの牛乳を消費でき、子供達にも飲んでもらえます。

 中標津タピオカ「中タピ」はタピオカを売るのではなく、地元の牛乳を売るというコンセプトなので、町の名前を商品名に入れました。それで中標津の名前が勝手に一人歩きをし、中標津という町の名前が広まってくれたら町にとっても良いことだと思いますし、それが牛乳を作っている生産者の方々にもプラスになれば、町の活性化というのには大げさかもしれませんが、いずれは自分達のプラスにも繋がってくると思います。

どんな苦労でも覚悟を持って取り組む

 地元の牛乳を使用するとどうしても原価が高くなってしまいます。タピオカミルクティーであれば、牛乳の単価が高いので茶葉を水で割ることで原価を下げ利益を得ることも可能ですが、中タピは牛乳が売れることを目的としているのでそういう訳にはいきません。

 生産数も少ないので、イベントに出店する際は発注して仕入れをしているのですが、最初の頃はどのくらい売れるかというデータもなかったので、過剰に牛乳を仕入れて余らせてしまい、廃棄してしまうこともありました。地元の牛乳を売りたくてやっているのに廃棄しなければいけないという切ない思いを経験しました。地元のものを使いたいと志を持って商品を企画しても、それを使うとなるとかなりハードルが高くなります。

 タピオカを維持するのも大変で、1時間ぐらい茹でたものを使用するのですが、長時間置いておくと固くなってしまいますし、冷蔵庫に入れておいても固くなります。また、それを再加熱すると柔らかくなりすぎてしまうので、余ってしまうと次の日には使用ができません。どのくらい用意するかの調整が難しいです。足りなくなったからといって追加しようとしても準備に1時間かかってしまうので、朝の仕込みの量を間違うとロスになってしまいます。

 タピオカは業務用で50 kgから仕入れが可能でしたが、品薄になっていたので最初から200kg仕入れることになりました。試してみたいと覚悟して仕入れはしたのですが、今だにその呪縛に縛られています。

北海道のカルチャーにこれからの「中タピ」

 酪農家の人たちや、タピオカ好きの若い子にも喜んでもらえていることが嬉しいです。今はSNSを開くとタピオカの写真が溢れています。地元でもそういった投稿ができるということが大事かなと思います。北海道にはご当地牛乳はたくさんあると思うので、ご当地牛乳とご当地の果物や銘菓を使った、地元タピオカ「ジモタピ」がそれぞれの地域にあると面白いなと思います。

 この地域だけではなく牛乳は北海道の特産品です。道内各地でジモタピがいろんな味で楽しめたりするとそれはすごく魅力的ではないでしょうか。台湾から来た飲みものではありますが、それが北海道のご当地ドリンクになるというのも面白いと思います。

 中標津タピオカがきっかけで地元タピオカが全道に波及して、ご当地タピオカ選手権みたいなものができたら第1回は中標津で開催したい。それが夢です。


【商品お問い合わせ】
多国籍料理 呑食里
☎︎0153-79-0515
標津郡中標津町東2条南2丁目1